2015年3月24日火曜日

生産事情

40〜50年前、日本は国産から更なる価格安を求め、
台湾、韓国へ新たな生産拠点を開拓した。

自分も子供の頃よく「Made in Taiwan」や「Made in Korea」の表記をよく見た物だ。

さらに10〜15年後、多くの企業はもっと更なる価格安を求め、
中国へ新たな生産拠点を開拓した。
価格安と言うより価格維持という言葉の方が適切かもしれない。

それから近年まで、資源の豊富な中国と言う国は世界中の品を大量生産する「世界の工場」として、
輸出量を怒濤の勢いで増やし、見事な経済成長を成し遂げた。

そんな中、生産事情というものは繰り返されるもので、
更なる価格維持をしなくてはいけない状況がまさに今だ。
企業は東南アジア、中央アジア、品目によっては南米、アフリカまでも、、、
しかし、資源が豊富な中国に比べ、後進国のメリットでもある人件費安や物価安だけでは充分なアドバンテージにならない、、、

後進国へ出向き、中国に比べコスト安で生産できるだろうという大きな期待を抱き、
交渉のテーブルについたはいいものの、中国よりも高かったというあり得ない現実にぶつかり、期待はずれな結果に肩を落として日本に帰った企業も少なくはないと思う。

なぜ高い??
私は繊維業しか分からないので、この点に関してで言えば、
考えるに4つの大きな理由がある

まずは資源が乏しいというところ。
どんだけ製造コストが安くても、肝心な資源を中国から輸入している限りはコストは抑える事は難しい、、、
また後進国でも力が弱い国になればなるほど、原材料の買い付け力が弱いため、
市場相場よりも高い付け値で輸入せざるを得ないという現状もある。

次にあげられる点としては、工場側の利益。
目先の利益に捕われずに、長い目でトータル的に利益を得ようという考えを持っている工場は少ない。
よって、工場側がかなりの利益を掴んでいる可能性も充分にある。
実際に交渉により、100円が妥当なものを彼らは最初300円と言ってみる事も珍しくない。
そんな時はこちらは30円位が妥当だと言ってみるといい。
うまく行けば70〜80円位になる事も、、、

次にあげられる点としては、生産効率。
中国に比べてとにかく効率が悪い。
せっかく人件費の安い国で生産しても、同じものを生産するのに
中国工場で必要とする人員数の2〜3割増の人員を導入している。
例えば、中国で1人こなす事が出来る作業を2〜3人でこなしているのだ。
これだと、人件費の部分での差は出ないだろう。

最後は日本向け製品を嫌がる事。
欧米の大ロット少品種に比べ小ロット多品種が主流になる日本向け製品。
おまけに品質に関してはダントツ世界一うるさいかつ単発で終わる確率が高い。
とにかく日本向け製品に関してネガティブなイメージを持っている工場は多い。
最近中国では通常100円、日本向け120円という同じ商品なのに日本向けは高いのだ。
この20円には不良とされた製品の保証が含まれている。
当たり前だ。欧米では立派な良品として輸出されているレベルのものだからだ。

以前ミャンマーの工場でこのような言葉を聞いた。
日本のバイヤーに対する皮肉のようなもの。彼らの中で以下を「4L」と呼んでいる。

Listen(工場の話を聞いて)
Look(工場の施設を見学し)
Learn(色々と知識を学び)
Leave(帰っていく)

それを聞いた私は「我々5Lだ」と言い返した。
最後のLは「Load(商品を船に積み込む)」
するとミャンマーの工場のスタッフは大笑い。

しかし、ミャンマーと言う最も資源面で難しい条件の国では
多くの繊維系バイヤーも撤退していると聞いている。
日系検品会社も開店休業状態のところもあるようだ。

とにかく第三国開拓は長期的な視野で根気づよく開拓していかないと駄目だと言う事だ。
韓国や台湾が主体だった頃の時代の中国は宝の山のような魅力的生産エリアだったが、
今のこの時代、そのような宝の山はもう無いと思うべきだろう。

0 件のコメント:

コメントを投稿