2015年9月1日火曜日

似てる事を考える

最近何かと世の中を賑わせているデザイン盗作問題。
今日、ロゴの使用中止が決まり一件落着という所だろう。

しかし、どこか腑に落ちない所があるので、
説明ベタな自分だが、誤解を恐れずこの件に関して綴ってみたいと思う。

今回、佐野研二郎さんのロゴ問題及びその他盗作問題に関し、
まず自分の今の気持ちとしても指摘された彼の数作品は「クロ」だと思う。
これは、彼を擁護してた立場としてはショックに近い心境だ。

しかし、この1月ほどのネットや各メディアでのお祭り騒ぎに近いバッシングや更なる疑惑探し、、、
これにより、日本の広告、もっと大きく言えば日本の商業デザイン業界のクリエイティブレンジを相当狭めてしまったのではないだろうか?

もちろん盗作と言う事は絶対にあってはならない事。
しかしグレーな部分というものも事実何にだってあると思う。
音楽でもファッションでも映像でも紙でも。
そのグレーなどを足し算、引き算しながら目新しい事を作る工夫があると思う。
用は顧客が満足すれば良いのだ。

しかし、顧客が盗作と知った、または顧客自身がこれはグレーではないと感じた場合は満足するのか?
もちろん満足はしない、なので今回の一件はグレーではなく「クロ」だ。
オリンピックのロゴは国民という顧客の大多数が満足しなかったワケで、、、
取り下げられても何も言えないだろう。

しかし、この一件で学んだ教訓以上にこれから輝くであろう数多くの未来クリエーター達の思い切る気持ちを萎縮させてしまった気がしてならない。
これは日本のクリエイティブレベルのモラルが向上した以上にダメージが多いような気がする。

これ以上綴ると、盗作を肯定するように感じるので
この辺で終わりに、、、

今のテレビ本来の良さの衰退している現象が、
広告業界や商業デザイン業界にも起こらない事を願いたいと思う。


2015年5月29日金曜日

ファストファッションの現場

年々増加するファストファッションブランド、
日本市場でもユニクロをはじめ、世界中のブランドが出そろい、競争が激化している。

イタリアの人気ファストファッションブランド「Terranova」など、
まだまだ未進出のブランドもある。

GAPをはじめとした製造小売業(SPA)というスタイルがトレンドとなった今、
各ファストファッションブランドは企画から製造、そして販売まで全てをハンドリングする事で、
スピーディかつコスト安での製造及び販売を実現可能とした。
驚く事に彼らはコレクション視察から消費者が商品を手に取るまで、たったの2ヶ月というスピードで生産しているという。
最近のワールド大幅事業縮小の原因にもファストファッションの存在は大きい。
そんな手軽にオシャレを手に入れる事が出来るファストファッション。

その背景では過酷な現実もある事を知ってもらいたい。
私も2年程付き合いのあったバングラデシュ。
この国は世界最貧国としても有名だが、それが故に労働賃金もアジア最安な場所でもある。
2〜3年前の当時ミャンマーのヤンゴン市内郊外にある工場の縫製工員の平均月給が約10,000円〜13,000円程に対し、
ダッカ郊外にある工場での最低賃金が5,000円〜7,000円程、バングラデシュの郊外都市近郊にある工場での最低賃金は約3,000円程と言う何とも目を疑う程の安さで働いている。
これは日給ではなく月給の話だ。

更に前、やはりチャイナプラスワンを求め、ベトナムで生産していた頃。
中国に比べ賃金の安い縫製工場だったが、その賃金維持も長くはなかった。
急速に投資が進むにつれ、軽工業から重工業、そしてIT業へと、途上国の産業も徐々に発展され、それに伴い最低賃金クラスで働いていた国民も、より賃金高を条件に転職ラッシュがやってくる。
すると人手を確保できなくなった軽工業は賃金ベアを余儀なくされるという流れだ。
その限界を感じたとき、進出してきた海外企業は更なるコスト安を求め、新たなる途上国へ移り渡るのだ。

比較的人口の多いバングラデシュ。
他国同様に投資が進めば転職ラッシュは発生する。
最低賃金クラスの産業は本来なら労働者の枯渇という問題に打ち当たるのだが、
それ以上に人口の多いバングラデシュは、最低賃金クラスでも就職希望をしている予備軍が大量に待機している。
おそらく当分は労働者枯渇問題に悩む事は無いだろう。

がしかし、このファストファッションというビジネスモデルがつきない限り、
バングラデシュも時間の問題ではなかろうか??

以前なら原価を抑える事ができても、売値を下げる必要は無かった。
それにより、多額の利を得る事が出来たのだ。
しかし、ファストファッションなどの誕生により競争が激しくなった今、
原価を抑える主目的が、競合他社との値下げレースとなっている。

原料豊かな中国やインドなど、世界の生産基地である国々自体が豊かになり
自国での原料消費が急速に増え、ほとんどが輸入として確保されていた原料コストも高騰し、
労働賃金も日々アップしている。
そんな中、なぜコスト安で生産が実現できているのか?
もちろん販売側の薄利多売もあるだろうが、それ以上に工場側の利薄な製造。
そして、過酷な労働条件及び労働環境を強いられている事も理由として上げられる。
奴隷の用に働かされている工場も珍しくない。

我々の生活の中での「便利」の裏側での「過酷」がイコールでリンクされている事が
たくさんある事があるという事を知って欲しい。

またの機会に、現場の労働の実態をお話ししたいと思う。


2015年5月17日日曜日

途上国でのモノ作り

ここ数年チャイナプラスワンが進む中、
我々もベトナムからはじまり、バングラデシュ、ミャンマー、インドと、
様々な国で生産をトライアルしてきた。

やはり途上国、なぜ彼らが今でも発展途上のままなのか?
それは地理的な要素というよりは政治体制、そしてもう1つ大きな要素は国民性だろう。

中国も20年程前は品質難はもちろん、
モノ作りに対する感覚や日本人のビジネス感覚の理解力はほぼゼロに近かった。
以前、現地工場に検品へ出向いた際、
片面ポケットが付く正式な仕様のバッグ商品に、ポケットが両面付けられた不良品を見つけた。
その際、工場の品質管理マネージャーにそれを伝えたところ、驚いた答えが当然のように帰ってきた。

「なぜ良くない? 両方付いていれば、むしろそれを選んだ方は喜ぶのでは?」

なんともお気楽な発想である。

まぁ、逆を言えば日本人の几帳面な感覚が異常すぎるとも言える。
日本の品質は「悪くてもダメ、良くてもダメ、同じ品質を維持」という感じだ。
しかし、今では長年の投資及び教育により、日本企業の感覚をかなりのレベルまで理解した生産が可能な工場がかなり増えた。

そんな中、中国を飛び出し、これからインドやバングラデシュ等で何かを作る方は、根気強い忍耐力が必要だと助言したい。

これらの国の感覚はまだ15年または20年前の中国に近い。
もちろん昔からこれらの国に進出している欧米諸国の大手アパレルブランドも少なくないので、
すでに先進的感覚を持ち合わせている工場も多い。
しかし、これらの工場は価格的に強気だったり、ラインがすでに空いてないなど、
そう簡単に入り込めないのが現状だ。

そんな中、入り込める工場というのは中小規模のところが一般的であり、
彼らはまだ日本人的感覚を充分に理解しているところは少ない。

一番代表的な特徴として、とにかく彼らは納期を守らない。
インドに進出されている、ある大手インテリア雑貨ブランド「F F」のバイヤーのお話を聞く事があったのだが、
彼らが視察に訪れた際、もちろん品質面で色々な指摘や要求をする。
そして要求がクリアされた頃にまた日本からインドへ訪れると伝える。
サプライヤー側はその要求を全てクリアするのは2週間かかると回答。
しかしFFのバイヤーが訪れるのは3週間後。
そう、時間通りに仕上げない事も想定し、生産スケジュールを組んでいる。
それでも予定通り出来ない事が多々あるそう。

ある大手商社のコレポン担当者は、
何度納期催促のメッセージを送信しても返事が無く、
あげくの果には、「返事しろ!」という一文のみの怒りメールを入れても返事が無いという。
しかし数日後、仕上がりが見えた頃にマイペースな返事がひょいと来る。
そう、彼らは途中経過をいちいち報告する感覚がない。
要求に対して返答が出来るまで返事をしないのだ。

また彼らは、出来る出来ないは後回し、
バイヤーの要求は何でも「問題なくできる」という返事をし、
依頼を受けてから考えるという事もある。
現地に拠点を置く日系に検品会社もその感覚に頭を悩ましている。

工場へ出向き品質管理をサポートする「出張検品」の際、
事前に完成時期を打合せし、工場へ出向く最適な時期を決めるのだが、
その日時に合わせ、拠点から現地までの汽車や飛行機を予約し
出張スタッフの確保、バイヤーと品質項目の打合せ、
100%の準備をしいざ工場へ行くと、ほとんど生産が完了しておらず、
何もせずに帰るという事も珍しくないのだ。

自分もこれらに頭を悩まされていた時、
インドの展示会で色々な工場の社長さん達に、これらの原因を質問してみた。
納期を守れない大きな理由は2つある。

1つはスタッフの教育問題。
管理者がラインを監視している際は、
皆まじめに作業をこなすのだが、管理者が事務所へ戻ったとたん、
作業台の上に座り込んで、音楽を聴いたり、ケータイをいじったりなど、
すぐサボってしまうのだ。
また、サボる事を通り越して、平気でしょっちゅう休んだりするスタッフも珍しくないようだ。
比較的賃金の安いアパレル生産工場は、このような教育の低いスタッフを多く抱えている事が多く、
マネージャーも、ちょっとの注意では聞かない事を熟知しており、
慣れてない日本人は引くくらい、四六時中怒鳴り散らしている。

2つはスタッフの雇用システム。
コレに関してはインド国内に限ってはエリアにより異なるのだが、
比較的南のエリアは短期雇用が多い。
比較的レイジーな南の人たちの特徴柄、
集中的に働き、あとはのんびり暮らすという人達が多く、
このような雇用システムを取る工場が多いのだ。
それにより、スタッフが頻繁に入れ替わる事で、
スタッフのスキル向上が出来ないという問題が生じる。

まぁ、まだまだ話し出すとキリが無い程にでてくるのだが、
それくらい、途上国で新拠点開拓は簡単ではないという事だ。
また中国、韓国に比べ距離という問題ももうひとつの大きな問題だ。

これから進出を考えているバイヤーは、まず現地へ出向き、
その土地の人や食文化など基本的な事に触れ、
それ以上の模索は後回し、とにかく少量でも構わないから、
実際に何かを作ってみる事が一番だと思う。

2015年3月24日火曜日

生産事情

40〜50年前、日本は国産から更なる価格安を求め、
台湾、韓国へ新たな生産拠点を開拓した。

自分も子供の頃よく「Made in Taiwan」や「Made in Korea」の表記をよく見た物だ。

さらに10〜15年後、多くの企業はもっと更なる価格安を求め、
中国へ新たな生産拠点を開拓した。
価格安と言うより価格維持という言葉の方が適切かもしれない。

それから近年まで、資源の豊富な中国と言う国は世界中の品を大量生産する「世界の工場」として、
輸出量を怒濤の勢いで増やし、見事な経済成長を成し遂げた。

そんな中、生産事情というものは繰り返されるもので、
更なる価格維持をしなくてはいけない状況がまさに今だ。
企業は東南アジア、中央アジア、品目によっては南米、アフリカまでも、、、
しかし、資源が豊富な中国に比べ、後進国のメリットでもある人件費安や物価安だけでは充分なアドバンテージにならない、、、

後進国へ出向き、中国に比べコスト安で生産できるだろうという大きな期待を抱き、
交渉のテーブルについたはいいものの、中国よりも高かったというあり得ない現実にぶつかり、期待はずれな結果に肩を落として日本に帰った企業も少なくはないと思う。

なぜ高い??
私は繊維業しか分からないので、この点に関してで言えば、
考えるに4つの大きな理由がある

まずは資源が乏しいというところ。
どんだけ製造コストが安くても、肝心な資源を中国から輸入している限りはコストは抑える事は難しい、、、
また後進国でも力が弱い国になればなるほど、原材料の買い付け力が弱いため、
市場相場よりも高い付け値で輸入せざるを得ないという現状もある。

次にあげられる点としては、工場側の利益。
目先の利益に捕われずに、長い目でトータル的に利益を得ようという考えを持っている工場は少ない。
よって、工場側がかなりの利益を掴んでいる可能性も充分にある。
実際に交渉により、100円が妥当なものを彼らは最初300円と言ってみる事も珍しくない。
そんな時はこちらは30円位が妥当だと言ってみるといい。
うまく行けば70〜80円位になる事も、、、

次にあげられる点としては、生産効率。
中国に比べてとにかく効率が悪い。
せっかく人件費の安い国で生産しても、同じものを生産するのに
中国工場で必要とする人員数の2〜3割増の人員を導入している。
例えば、中国で1人こなす事が出来る作業を2〜3人でこなしているのだ。
これだと、人件費の部分での差は出ないだろう。

最後は日本向け製品を嫌がる事。
欧米の大ロット少品種に比べ小ロット多品種が主流になる日本向け製品。
おまけに品質に関してはダントツ世界一うるさいかつ単発で終わる確率が高い。
とにかく日本向け製品に関してネガティブなイメージを持っている工場は多い。
最近中国では通常100円、日本向け120円という同じ商品なのに日本向けは高いのだ。
この20円には不良とされた製品の保証が含まれている。
当たり前だ。欧米では立派な良品として輸出されているレベルのものだからだ。

以前ミャンマーの工場でこのような言葉を聞いた。
日本のバイヤーに対する皮肉のようなもの。彼らの中で以下を「4L」と呼んでいる。

Listen(工場の話を聞いて)
Look(工場の施設を見学し)
Learn(色々と知識を学び)
Leave(帰っていく)

それを聞いた私は「我々5Lだ」と言い返した。
最後のLは「Load(商品を船に積み込む)」
するとミャンマーの工場のスタッフは大笑い。

しかし、ミャンマーと言う最も資源面で難しい条件の国では
多くの繊維系バイヤーも撤退していると聞いている。
日系検品会社も開店休業状態のところもあるようだ。

とにかく第三国開拓は長期的な視野で根気づよく開拓していかないと駄目だと言う事だ。
韓国や台湾が主体だった頃の時代の中国は宝の山のような魅力的生産エリアだったが、
今のこの時代、そのような宝の山はもう無いと思うべきだろう。

2015年3月23日月曜日

企業努力

つい先日近所のらーめん屋さんで「地域振興券ってあったねぇ〜」という話になった

こういう国策はことごとく失敗し、世間から多大なる政府批判がいつも起こる、、、
もちろんこういった政策は莫大なお金が動く事で、一部官僚等のポケットに流れているケースもあるかもしれないが、少なからず日本経済救済という使命感や正義感も大きいと思う。

こういう国策とワンセットでわき上がる不満と批判を見る度に思う事が、
「この国はつくづく社会主義的な国だなぁ」と思ってしまう。

何をするにせよ、まずこの国は「資本主義」だという事を前提に置くべきだと思う。
もちろんそこには格差も生まれるであろう。
例えば地域振興券で恩恵を受けた商店と受けていない商店。
もちろん業種によるハンディキャップはあるだろう。
でもそこに企業努力があったのか??

らーめん店で例えるなら「地域振興券セット」「地域振興券サービス」など、
地域振興券を利用していただく方に対しての新たな商品やサービスを、寝る間も惜しんで考えれば全くのゼロ恩恵じゃなかった商店がほとんどだと思う。

国策が追い風になる事程、商売の強みは無い。
もちろん国策が逆風になる事もある。

私の商売で例えるなら、容器改正リサイクル法によりエコバッグが例年の2倍3倍売れた事もあれば、
中国関税特恵枠の縮小や撤廃により税負担によるマイナス。
今でいうならまさにアベノミクスによる金融政策による急激な円安。
日経平均もアベ新ゾーンという未開の株価ゾーンへ突入し、まだまだ円は安く、株は高くなると多くの経済アナリストは語っている中、
ぶっちゃけてこの金融政策により私の商売は大打撃を受けている。

でも、この状況は短期的に変わる事は無い、よって自分たちが変わるしか無い。

今のマクロ経済が自分たちにとって逆風になっている場合、それを理由に商売がうまく行かない事を決めつけてしまうのは良くない。
逆風であれば、その条件を素直に受け止め、その逆風に立ち向かう術を考える必要がある。
そういう企業努力を行なう前に、政府が悪いと経済政策批判が先に出てくる、
商売がうまく行かなければ会社は大手だろうが倒産するし、魅力ある商売であれば若い会社であろうと莫大な利を得る事が出来る。
それが資本主義の基本だと思う。

資本主義に格差はつきものだ。
それを何かと横一線に並べようという動きが企業の競争意欲や、
企業の成長努力はもちろん再生努力を低下させているような気がする。

当社もアベノミクスによる急激な円安だからしょうがない、、、
株価もバブルがはじけて、円も少し戻っていくだろう、、、
このような感じでネガティブな事を言っていたら、何も成長を生んでいないと思う。
経済を大きく見ればポジティブな事もたくさんある。
アベノミクスにより国内を長年牽引してきた輸出産業が行きを吹き返してきた事も事実。
それが日本全体の景気底上げになり、見事に民主党時代の大きな痛手を回復していると自分は思っている。

何事もポジティブな考え方が企業を生き続けさせてくれる物だと思っている。
それは大企業だろうと、零細企業だろうと、個人商店だろうと同じ事だろう。

さぁ、これからアベノミクスと共に生き抜く為に、
遠いインドの地へビジネス開拓をしに行ってこよう!